3つのポイントで解説する「終活」とは？自分や家族を守るための準備方法

定年をこえると「終活」という言葉をよく聞くようになり、自身も始めようと考えている思います。一言で「終活」と言っても、具体的に何をすれば良いかわからない方は多いものです。　

終活をしなければならないと考えている方は多いと思いますが、実際にできないと思っている方も多いです。

この記事では、終活の意味、目的や進め方について紹介します。この記事の内容を理解すれば、自分自身の終活の考え方や進め方について知ることができます。

終活とは

あなたは「終活」という言葉を聞いてどんなイメージがありますか？ 実は、はっきりとした定義はありません。

ウィキペディアでは「人生の終わりのための活動」と記載されていたり、終活カウンセラー協会では、「人生の終焉（しゅうえん）を考えることを通じて、自分を見つめ、今をより良く自分らしく生きる活動」と記載されたりしています。

多くの方は、「人生の最期を迎えるために行うこと」のようなイメージを持たれているかと思いますが、その考え方で良いと思っています。

ただ、その考え方であれば、どうしても「死に向かっていく」というイメージになってしまうためマイナスな感情になってしまいがちです。

そのため、私は、終活という言葉を「終」と「活」で分けることで、スッとイメージが付きやすくなるのではないかと考えています。

「終」は最期のために「準備」する

「終」は、自身がもしものことがあった時のために、準備することを指します。

この「もしものこと」については、自分で何かを判断できなくなった状態を指します。

例えば、認知症になったり、事故や病気で意識不明の状態になったり、最期に近づいた状態や亡くなったりすることです。 また、何を準備するのかというと、大まかに分けると以下の通りです。

これらに対して、ご自身のお気持ちを残したり、家族に負担のかからないように整理したりすることが「最期のための準備」ということです。

「活」は未来のために「活動」する

続いて「活」については、今からの人生をどのように生きていくかを考えることです。

「終」で解説した「もしものこと」が起こる前までに、どのような人生にしたいかを考えることも大切です。

具体的には以下の通りです。

これらに対して、これからの第二の人生をどのような人生にしていくかを考えていくことが大切です。

なぜ終活を行うのか？目的は？

では、なぜ終活を行わなければならないのでしょうか？

それは、残された家族とご自身のためです。 具体的に解説していきます。 　

残された家族のため

ご自身にもしものことがあった場合、家族は悲しみと不安を受け止める間もなく、さまざまな事務的な手続きが必要になります。

私も家族の不幸に経験があります。家族にもしものことがあった場合に行わなければならない手続きはたくさんあり、一つ一つ調べながら行いました。悲しさと時間の無さで気持ちがかなり落ち込みました。

例えば、あなたの通帳、銀行印や保険証などの場所をご家族の方は把握されていますか？みたいなことです。何も情報がない場合には、必要な物1つを探すだけでかなりの時間を要します。

そのため、ご自身が元気なうちに手続きに必要な整理などを行うことで、家族への負担が減ることは間違いないと感じています。

また、事務的な手続きとは別に、家族などへの想いを残すことも大切です。パートナー、息子、娘、孫や友人などへのメッセージなどを残すことで、大切な方の心にずっと残り続けることでしょう。

自分のため

終活は、残された家族のためというイメージがありますが、実はご自身のためでもあります。

その理由は、2つあります。

1つ目は、将来への不安が解消されるからです。最期の準備をし終えることで気持ちもすっきりします。

2つ目は、自分のこれまでの人生を見つめ直す機会になるからです。終活を行っていると、いろんな思い出や自身が歩んできた道を振り返ることができます。

これら2つの理由により、これからの人生を自分らしくどのように生きるのかを考えるきっかけになり、充実した生活を送ることができます。

もちろんデメリットもある

しかし、終活を行うには、デメリットもあります。以下にデメリットと解決方法について解説します。

やらないといけないことが多い

終活を完璧に行おうとするとやらなければならないことが多いです。

例えば、上記で紹介した「生前整理」の中でも、モノの整理（衣類、書類など）やデジタル媒体の整理（パソコンやスマホの情報やSNS、ネットでつながっている銀行サービスなど）みたいに、事細かく見ていく必要があります。一つ一つ行うためには、時間も根気もいると思います。

そのため、終活を行う際には、この作業は誰のために行うのか？と考えながら行うことで、優先順位をつけて実施していく必要があります。また、ご友人の方、パートナーや終活の専門家などにも相談し、一緒に進めていくことも必要ではないかと思います。

死への受け入れ方の違いで不安になることもある

人によっては、身近な方に不幸があり「死」への不安感がある方もいると思います。その場合は、無理に行う必要はありません。

終活という言葉は2009年に始まり広がってきましたが、それ以前にはほとんどこのような活動は行われていませんでした。そのため、ご自身の考えに沿って、不安にならない程度に進められても良いかもしれません。

終活が必要と感じていますが、実際には不安で行動ができない方は、一度専門家へ相談してはどうでしょうか？

終活を円滑にすすめるために

この記事では、終活の意味と進め方について紹介しました。終活は残された家族とご自身のためです。無理に進めていくこともありません。ゆっくりできることから始めると良いと思います。

終活を円滑に進めるためには、まずは専門家に相談することも必要なのではないでしょうか？